令和4年度 入学式
令和3年 4月 6日 入学式が執り行われました。
センター長式辞を掲載いたします。
令和4年度新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
皆様は本日より晴れて神村学園生となりました。
本校は2018年に鹿児島の神村学園高等部と学習塾のさくらゼミナールが手を組んで立ち上げた通信制課程高校となっております。
通信制課程高校とは、学校へ通うことが全日制の高校と比べ少なくなる反面、自宅などで自主学習に取り組むことが必要となります、この自ら学ぶということを通して、自分で様々なことを決定して、それに対し自らが責任を持つという自立の精神を育むことができます。
・・・と、かしこまった挨拶も考えたのですが、よくあるザ校長先生のお話みたいに堅苦しい空気にするよりは、ここの学校らしい雰囲気でみんなにお話をしていこうと思います。姿勢を楽にして聞いてください。
まず、ここの学校に通っている先輩たちは小中学校の時になかなか学校に行けない経験をした生徒がほとんどです。自分に自信が持てずに、何が原因かわからないキツさを乗り越え、または乗り越えようと頑張りながら、卒業資格を取るという1つの目標に向かって通っています。
みんなの中にもそんな経験をした人はいると思います。そんなみんなに1つ伝えたいことは、それは決して「君たちのせいではない。」ということです。
例えば食べ物の好き嫌いは誰にでもあると思います。もちろん嫌いだからといって何の工夫もせずに食べないのはいけないことだと思いますが、
先生の場合だと、私は「あんこ」がとても嫌いです。食べてみようと思い、大好きなご飯と合体したおはぎというものに出会いましたが、1秒で吐きました。
というふうに無理なものはどうしても無理であり、学校に行けなかったのは君たちのせいではない。と言ったのは、ただ君たちと学校が合わなかっただけで、そんな自分を責める必要は1ミリもありません。
先生達はこの学校を君たちに合うように出来る限りの努力をしますので、今まで言えなかった事も何でも言って下さいね。
もう少しここの学校の先輩や卒業生の話をすると、ここにはeスポーツ部があります。
去年卒業したA君は2年生の時にゲームが好きだからって理由で入部し活動していました。
最初は楽しみながら遊んでいたのですが日々の練習や大会を通じて、少しゲームへの見方が変わり、仕組みを勉強したり、自分なりに研究するようになりました。
その結果、A君はプロのeスポーツチームが提携している専門学校にゲームで受験をして、ユースチームのメンバーとして合格し進学しました。
こんな風にこの学校は自分の好きな事に自信が持てるよう、先生達も一緒になって歩んでいく学校です。
みなさんには先生の好きな話を伝えて終わりにしようと思います。
とある大学教授が生徒達の前に1つの壺を出してそこに大きな岩を詰めていきました。
生徒たちに向かって「これで満杯ですか?」と聞くと、生徒たちは「満杯だ。」と答えました。
続けて教授はその壺に砂利を入れて同じように質問すると、生徒たちは「満杯だ。」と答えました。
またまた教授は次に砂を入れて質問すると、生徒たちは何となく意味を理解して「まだ入る。」と答えました。
そして教授はその壺に水を入れ、その壺は本当に満杯になりました。
この教授は何を伝えたかったと思いますか?
この話を聞いたとき、
『一見出来なさそうに見えても努力をすれば何とかできる。』と捉える人が多かったそうです。
ただそうではなく、この話の大事なポイントは、
『大きな岩を最初に入れない限り、それが入る隙間はもう2度とありませんよ。』という教訓でした。
ここでいう大きな岩というのは、みんなにとって1番大事な物です。
人生で大事だと思う事から先にしていかないと君たちの人生は砂や水などあまり大事じゃないもので満たされてしまいます。
1番大事な物がまだない人はこれから3年間通う中で一緒に見つけていきましょう。
そして好きなこと、得意なこと、やりたいことを追求できる高校生活を送っていきましょう。
最後に保護者の皆様に申し上げます。この度は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
めまぐるしく変化するこの時代と少子化の中、全日制の高校数、生徒数は減少してきているのに対し、通信制課程高校の数、生徒数は年々増えてきていることをみても、新しい教育の形としてこの時代を生きる手段になってきているのだと思います。
この度縁あって皆様の大切なお子様をお預かりする事になりましたが、学校としてできる限りの教育を行い、お子様の健全なる成長に支援しながら一緒に歩んでまいります。
これから3年間、ご家庭、学校が共通認識のもと協力し合いながらお子様の成長を見守っていければと思います。どうぞよろしくお願い致します。
皆さんの高校生活が実り多いものになりますよう、君たちにとっての大きな岩を見つけることができますことを心から祈り式辞といたします。
令和4年4月6日 学校法人神村学園高等部 熊本学習センター センター長 森一賢吾